このプログラムは国立大学法人金沢大学とパートナー自治体(石川県、輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)によって実施されています

第12回「能登の伝統的な生活文化-郷土食の視点から」

日時:2017年10月7日(土)

場所: 能登学舎

講義:「ウチミソからみる能登の食の民俗」
岩城こよみ氏(大阪産業大学非常勤講師)

 

話題提供:「風土の食卓―里海編・能登のあごだし」
新谷吉江氏(長手埼すいせん工房)

概要

講義では、午前の部を里山における生活文化としての味噌、午後の部を里海における生活文化としての出汁として位置づけた。

まず、講師の岩城氏から自身の学問領域である民俗学について「手の届く過去の範囲における衣食住などの生活実態を検討することで先人の知恵や心の機微を構造的に学ぶ」ことであると示された。その上で、自家製味噌であるウチミソを切り口として能登における製造、管理、利用についての事例が説明された。岩城氏は、聞き取りをした先人たちによると家計の無理をしてでも「フルミソのウチミソであるべし」との考えのもと味噌を作ったという事情を紹介した。

続いて、ワークショップでは、能登のウチミソ、ユベシ、柚子の味噌漬けを試食し、ウチミソが「家々に受け継がれている」「保存食としての味噌」などを学んだ。

午後の部では、新谷氏から、珠洲のトビウオを使ったアゴダシの紹介があった。珠洲での伝統的な作り方の紹介のほか、「毎年、毎年、課題が見つかる」「こだわりがなくては、アゴダシを残していけない」「アゴは棄てるところがない」といった生産者の思いが述べられた。

午後のワークショップでは、アゴダシの試飲と、アゴを余すところなく味わう学びとして、出汁として煮だした後のアゴの2次利用として、アゴのふりかけを試食した。

 

 

 

受講生のレポート

岩城氏の講義の中から、関心を持った内容と、それに対する自身の感想や考えを書いて下さい。

Aさん(珠洲市)

物が限られた時代での人々の営みや暮らしの中で保存食がどのように取り入れられてきたのか。そして保存食が過去と現在でどのように変わってきたのか知ることができた。「みそ」が人々にとってどのような存在だったのか、ということを初めて知り、みそやゆずから人間関係や立場なども見えてくるところがおもしろかった。

 

 

今回のワークショップやこれまでの自身の経験を通じて感じた、能登地域の伝統の食の意義や可能性について、自身の考えを自由に書いて下さい。

Bさん(能登町)

これほどの種類の味噌を比べたことはなかったので、味や色の違いに感動しました。おふくろの味という言葉を聞いて、まず思いつくのが私にとってはみそ汁ですが、作る人によって味噌の味が違ってくる点から、そういうイメージがついたのかなと感じました。