このプログラムは国立大学法人金沢大学と出資自治体(珠洲市)、連携自治体(石川県、輪島市、穴水町、能登町)によって実施されています

第14回 地域資源となる建築物や景観、食を通した地域の魅力発見

日時:平成301110日(土曜日)

会場:能登町小木漁港3階、小木公民館ほか

 

Part1 講義

「地域を読むー建築、景観、生業が形作る地域文化を活かすために」

講師:稲益祐太氏(法政大学デザイン工学部建築学科兼任講師)

Part2   現地実習 体験実習「小木の食と景観の魅力発見モニターツアー」

総合案内:浅井英輝氏(里山里海マイスター(5期))

①漁協と小木の町並み散策

②小木地区の食の魅力を発見!(調理実習・昼食)

③九十九湾遊覧船紀行

Part3 振り返りワークショップ・グループ発表・稲益先生による解説・総括など

 

概要:

能登町九十九湾をフィールドに講義、現場見学、調理実習などを通して、地域を読む視点、地域を語るストーリーの発掘の手法を学んだ。

講義では、稲益氏がイタリアでの文化的景観の事例紹介を通して、建築学的・空間史的な視点から景観を読み解き、地域文化や地域の魅力を理解する手法について概説した。まずアマルフィ海岸の紹介では、斜面地でのレモンやブドウ栽培の仕組み、栽培に必要な木製のパーゴラ(棚)と山との関わり、製紙工場と水の関係性から、山と海の人々が一体になって地域が出来上がっていることを示した。次に、タヴォリエーレ平野の事例では、オリーブ栽培がメインになっている集落で、高台に麦やアーモンドを栽培し、平地で牧羊することで、人々が2つの景観を行き来する様子を紹介した。モノポーリ地域の事例では、大聖堂の描かれた(18世紀)聖母マリアの絵が原点のイカダ祭りが紹介され、木材がなかったこの地域にとってイカダに乗って神の恵みがくる様子を再現しながら、信仰を通して文化と建物ができること示した。

最後に、アグリツーリズモやペスカツーリズモについて、古い建物の外観を保存しながら内部を改装して結婚式場やホテルにした事例のほか、普段の生業生活を見せながら農家や漁師と交流する観光の様子が紹介され、省令規定で収入の51%以上は生業由来であることを義務付ける規制が設けてあることなどが示された。

現地実習では、「九十九湾振興協議会」メンバーの浅井氏、瀬川氏、八反田氏らが提案する「九十九湾の景観、食のモデルコース」を体験した。まず、漁協で職員の坂東氏から小木のイカ釣りの特徴、船凍イカの製造・販売、漁民の歴史・生業、慣習などを学んだ。次に、浅井園子氏の案内で、地域の街並み見ながら、小高い丘を登る階段の先にある御船神社に行き、眼下の小木の町並を眺めるほか、祭りなど漁師町の文化と小木石などを解説してもらった。次に稲田氏を講師に、スルメイカをさばく実習を行い、食に関する地域の伝統・風習などを学んだ。最後に遊覧船に乗って、海から見渡す九十九湾の景観を眺めながら天然の良港としての小木の特徴を見るとともに、船長の上野一郎氏が養殖している魚の餌付け体験をした。最後に、「建築資産・歴史資産」、「自然風景・景観」、「生業・伝統文化・祭礼行事」などの3つのグループに分かれ、マップに記録しながら意見交換を行なった後に、グループ発表と講師による総括を行った。

 

受講生レポート

稲益先生の講義を通じて建築学的・空間史的な視点から景観を読み解き、地域文化や地域の魅力を理解する手法について印象に残った内容を記述してください。

 

Aさん:「ツーリズム」体験する側が楽しむだけでなく、ベースは地域住民ということが印象的だった。小木に「イカの駅」ができることで人を呼ぶ込むために、どんなことをすれば観光客が増えるのか?という考えがありましたが、ベースは地域住民・地域景観・生業を活かしていくことが何よりも大切なことではないかと感じた。

 

Bさん :人の働ける範囲、標高、植生、家畜もPoint。産業遺産→文化遺産。アグリツーリズモは農業、ペスカツーリズモは漁業を続けるための法。近隣同士を知る、近隣同士の繋がりが持続可能性。街の使い方を自分で知る、使い続けることが地域文化を生かすこと。

Cさん:印象に残った内容としては、持続可能性を持つ「責任ある観光」、観光を本業にしない、既存の景観・仕事を持続保全する手段としての観光などを挙げる。

小木地区の地域資源である景観、イカの調理実習、遊覧船などの体験を通じて地域資源を読み解いた結果、実際にどのような気づきを得たかを記述してください。さらに自分の取組に応用できる部分があれば、述べてください。

Dさん:小木の家が奥に向かって細長い理由を知って納得しました。今まで特に何も考えずに小木に住んでいたのですが、こうやって、昔を知る事、想像する事で、今までと違う見方ができて、とても新鮮でした。

 

Eさん:景観から地域を読むという視点が自分にはなかったので、そういう視点で地域を見て行きたい。

Fさん:自分の課題研究がツーリズムに関わるので、体験型を組みあわた小木地区ツアーに、とても魅力的だと(イカの実習・遊覧船)思いました。訪日観光客に、日本の原風景を見たいという願望があるようなので、船から見る日本家屋の風景を歴史やストーリー交えて、案内できればと思います。