里山、そこは、ひとのあたたかさがつまった場所でした~能登ライフ体験ツアー3日目~
●小谷内農園
最終日は小谷内さんの農園を見学、循環型のくらしへの取り組みなどのお話を伺いました。
小谷内さんの農園は、広くってなんでもある。りんごの木がお出迎えしてくれたと思ったら、梨、桃、榊など、いろいろです。養鶏場はくさくないし、しいたけ栽培場はとっても神秘的。落葉でふかふかな土の、道なき道を歩いて見上げれば、人工の杉林にはない神秘的な木漏れ日が差し込んで・・・ すごくキレイ。オバケシイタケを見つけたり、キクラゲが木に生えているのを見つけたり、冒険のニオイがぷんぷんする、宝の山(笑) きっと夏はいろんな虫が採れて男の子は楽しいだろうなあとか、養鶏場で毎朝とれる卵でつくるお菓子はおいしいんだろうなあとか、想像するだけで楽しい!
薪ストーブでコーヒーを沸かして、なほさんのお菓子をいただいて、青空の下で小谷内さんのお話を聞いて、奥さんのお話をきいて、おばあちゃんのお話を聞いて。なんでも、あるお宅で薪ストーブを取り入れたところ、いつもはすぐ部屋にこもってしまう子がリビングで過ごすようになったとか! 電気ストーブとは違って遠赤外線でいつまでも体がぽかぽかするらしいし、やっぱり、里山に根付いた昔ながらのローテクな暮らしの知恵には、人間のしあわせが約束されてるのかもしれないですね。
小谷内さんのお宅は昔ながらの薪風呂で、沸かすのはおじいちゃんの仕事とか。おばあちゃんもとっても元気(80歳なのに自転車で颯爽と立ち去った!)で、トトロにでてくるおばあちゃんみたいですごくかわいい!きっといつもこうやってみんなで外でお菓子を食べたりコーヒーを飲んだりしながら暮らしているんだろうなあって、そんな明るいあたたかい家族像がありありと想像できる、それだけでとてもあたたかい気持ちになれる、とっても素敵な時間でした。
●道の駅すずなり
全行程を終えて、最後は道の駅すずなりへ。ここはのと鉄道の終着駅でした。いまも残るレールとホームに地元の方々の愛着を感じます。店内に地元産のお野菜が売られていますが、毎週日曜には、田植えでお世話になったおらっちゃの里山里海の朝市も開かれてます。
金沢へ帰る長い道のりを前に、現地スタッフさんとのお別れを惜しみながら、揚げ浜塩バニラのソフトクリームを食べました。
●最後に●
二泊三日の旅路のさなか、宴もたけなわの夜更けに、その場にいた全員(参加者、スタッフ、能登のみなさん)で、その日感じたことを中心に今までの自分のこと、これからのこと、ありとあらゆることを語り合いました。びっくりするくらい仲良くなって、絶対またみんなで能登にこようねと約束しました^^
そのみんなで話し合ったなかで思ったこと。
能登の里山・里海の方々は、自分ではない誰かのために、何かプラスを与えたくて、自分にできるかたちでがんばっています。「里山」ってそもそも、ひとと自然がともに生きるためのスタイルだったのだから、当たり前のことなのかもしれないけれど。
その「自然とともに生きる」のは、こどもたちのため、まわりのため、未来のため。
そうやって、私利私欲ではない他の何かのためを思った結晶が「里山」なのだと、改めて考えさせられました。
知っていたつもりでわかっていなかった、「里山」の姿。
能登の里山・里海は、そんなひとの思いやりのかたまりでした。
金沢も、すごくあたたかいまちだと思うんです。
でも、そんな金沢にいてさえも、少しだけ満たされなくてモヤモヤすることってあります。
能登の豊かさにふれて、その日感じたこと、今まで考えてきたことやこれからのことなど参加者同士で夜な夜な語り合って、それでも足りなくてバスの中でも語り合って、日頃のモヤモヤが晴れたような気持ちになりました。
心と心があたたかくぶつかり合う、二泊三日の絆の旅でした。
お世話になったみなさま、ありがとうございました。
このツアーで能登のあたたかさにふれてみませんか?
次回は、2012年9月15~17日の予定。詳しくはHP&ブログをチェック!
金沢大学大学院自然科学研究科環境デザイン専攻修士一年
中谷 靜乃(なかたに しづの)